Bulls Power

取引は、日々、価格を押し上げる買い手(「ブル派」)と価格を押し下げる売り手(「ベア派」)との攻防です。どちらのサイドが相手を負かすかによって、その日の終値が前日終値を上回ったり下回ったりします。日中の結果、とりわけ高値と安値を見ると、一日の間にどのような攻防戦が繰り広げられたかが判断できます。

Bulls Powerのバランスを予測することは非常に重要です。なぜなら、このバランスの変化がトレンドの反転の可能性を最初に示唆するシグナルとなるからです。この予測というタスクは、アレキサンダーエルダーが考案し、彼の著書「Trading for a Living(邦題:投資苑)」で解説しているBulls Powerを使って解決できます。エルダーは以下の前提に基づいてこのBulls Powerを導き出しました。

  • 移動平均はある一定の期間における売り手と買い手の価格合意である

  • 高値はその日の買い手の最大のパワーを示している

これらの前提に基づき、エルダーは高値と13期間の指数移動平均との差異(HIGH-EMA)としてBulls Powerを考案しました。

応用

このBulls Powerは、以下のように、何らかのトレンド分析(移動平均が最も一般的)と組み合わせて使うと、より効果的です。

  • トレンド分析が下向きでBulls Powerがゼロを超えているが下降している場合は、売りシグナルである

  • この場合、テクニカル分析チャート上に山の乖離が形成されていることが望ましい

計算

このテクニカル分析の計算ではまず、指数移動平均を計算します(原則として、13日EMAを用いることを推奨します)。

BULLS = HIGH – EMA

ここで :

BULLS : Bulls Power

HIGH : 現在のバーの高値

EMA : 指数移動平均.

上昇トレンドのときは、HIGHはEMAを上回るので、Bulls Powerはゼロ以上になり、ヒストグラムはゼロラインより上に位置しています。価格が下落してHIGHがEMAを下回ると、Bulls Powerはゼロを下回り、ヒストグラムもゼロラインより下になります。

Bulls Power